妊娠中の女性は、逆流性食道炎を発生しやすい状態にあります。
妊娠によって大きくなったお腹に圧迫されて胃酸が逆流しやすくなるのに加えて、妊娠すると、妊娠時のホルモンバランスの関係で、胃の消化機能が下がってしまいます。これによって食べたものが胃に留まる時間が長くる傾向があるの逆流性食道炎の原因になっています。また、妊娠中には循環血液量が増加することも逆流性食道炎と関係していて、胎児の成長により大きくなった子宮が肺や胃を圧迫することにも原因があるとして考えられています。
妊娠中の生活というのはただでさえ大変なものですが、それに加えて逆流性食道炎まで発生してしまっては、お母さんにとってはかなり辛い状態になってしまいます。
逆流性食道炎は本来薬を服用すれば、比較的簡単の症状を軽減できるのですが、妊娠中にはできるだけ薬に頼りたくないという思いをもっている患者さんが多いものです。そこで、お腹に子供がいるお母さんでも安心して取り組める逆流性食道炎の治療法は、なんといっても食事療法です。
まずは、逆流性食道炎にとってよい食事と悪い食事を知りましょう。たとえば、つわりなどで気分がすっきりしない時に炭酸水を飲んでしまう方がいますが、炭酸水を飲むと胃の内圧があがりゲップが出る原因になってしまいます。ゲップは一緒に胃酸を逆流させることから、逆流性食道炎を悪化させることになりますので炭酸水の摂取は控えましょう。
妊婦さんにとっては、栄養をとることも大事なことですので、栄養が高く油の少ないささみ肉や、淡白な白身の魚、消化吸収にすぐれて良質なたんぱく質を摂取できる大豆加工品などは積極的に摂取したい食材です。
そうした食事療法だけでも、逆流性食道炎の症状はかなり軽減できることと思います。
しかし、症状が重い場合には、食事療法だけでは対処できない場合もあると思います。その場合には、主治医に相談の上、逆流性食道炎 薬
胎児に影響の少ないものを選んで薬を服用することも検討してみてください。お腹の赤ちゃんのためにも、お母さんが健康的に過ごせるのが一番ですので、長い間逆流性食道炎の症状に苦しむよりも、薬で治療をした法が結果的にはよかったということもあるからです。逆流性食道炎は特定疾患か?という質問を時々受けることがあります。
特定疾患とは、症例数が少ないために原因不明で治療方法も未確立である難病の中から、厚生労働省が臨床調査研究分野に指定した疾患のことを指します。治療方法が未確立にも関わらず、長期にわたって生活に支障が出る特定の疾患について、治療方法の確立に向けた研究が行われている疾患で、原因の究明、治療方法の確立のために100を超える数の疾患が特定疾患として指定されています。また、そのうちいくつかの疾患については、医療保険の自己負担について一部、または、全額を公費で負担し、患者さんや家族の方の負担軽減が図られているものもあります。
逆流性食道炎が特定疾患かというと、結論から言えば、逆流性食道炎は特定疾患ではありません。
では、なぜ患者さんがこのような疑問を持つかといえば、それは逆流性食道炎で病院を受診した際に、診療明細書に「特定疾患療養管理料」や「特定疾患処方管理加算」などという名目が打ち出されているからではないでしょうか。特定疾患と、特定疾患療養管理料は別のものなのです。
特定疾患療養管理料は、厚生労働大臣が定めた疾患を主な症状として病院を受診する患者さんに対して、医師が療養のために必要な指導や管理を行った対価として請求することが認められているものです。特定疾患療養管理量の対象疾患を主症状とする疾患は、様々なものがあります。そのため、特定疾患療養管理費の請求は、病院によっても対応が異なる場合があります。
逆流性食道炎については、多くの場合でこの特定疾患療養管理料の請求対象になると思ってください。まさに、医師が療養のために必要な指導や管理を行うことが大切な病気の一つですので、特定疾患療養管理料が請求されるのは妥当なことだと思います。
しかし、患者さんにとっては分かりずらいシステムであることも確かだと思います。逆流性食道炎と診断がされると、そこから特定疾患療養管理料が加算されることで診療費が急に上がったと不審に思う人もいると思います。診療費のことで不明な点があれば遠慮せずに医師に質問してみるといいと思います。診療料金が明瞭ではなく、不審だと思ったまま治療を続けても医師との信頼関係は築けません。fukashi 糖尿病も逆流性食道炎と併発しやすい症状です。
肥満の人、内臓脂肪の多い人は、肥満になってしまうような食生活が原因になったり、大きなお腹に圧迫されることで胃酸の逆流が起こるため、逆流性食道炎を発生しやすく、同じく肥満の人が発生しやすい糖尿病と併発していることがあります。
糖尿病とは血糖値が高くなる病気です。血液中のブドウ糖をエネルギーとして使えなくなることで、血液中にブドウ糖があふれて血糖値が上がってしまいうために起こります。これにより、筋肉や内臓にエネルギーが運ばれなくなるのです。症状は、
全身がだるく、疲れやすくなったり、目がかすむんだり、立ちくらみがすることもあります。手足のしびれやむくみが出ることもあります。血糖値が高いことを放置すると様々な合併症が起こり、命に関わる症状になることもあります。
糖尿病にはいくつかの型がありますが、 日本人で一番患者数の多い2
型糖尿病の主な原因は、内臓脂肪の増加や運動不足による肥満であるといわれています。遺伝や環境、ストレス、加齢、食べすぎなども原因といわれています。
ただ、糖尿病と逆流性食道炎は肥満という要素が共通しているだけでなく、糖尿病の患者さんは、神経障害によって食道のぜん動運動が低下するために逆流性食道炎を発症しやすい可能性も示唆されています。
また、糖尿病の患者さんが逆流性食道炎を発生している場合の問題点として、神経障害を有する糖尿病患者さんでは、逆流性食道炎の自覚症状が出にくいと言われていることがあります。自覚症状が出にくいため、発見が遅れたり、逆流性食道炎の診断をするための問診で正確な判定ができない場合もあります。
そのため、糖尿病の患者さんに逆流性食道炎の可能性が疑われる場合には、自覚症状の有無や問診の結果に関わらず、胃カメラの検査を受けてみることをおすすめしたいと思います。糖尿病の患者さんはがんのリスクが高いことでも知られていますので、自覚症状のないまま逆流性食道炎を放置することは大変危険です。胃カメラの検査をすることはがんの早期発見のためにも大切なことです。
糖尿病も逆流性食道炎も、食事や生活の管理は大切になります。正しい知識を持って適切な治療と、生活の管理を行いましょう。http://yaofukashi.soup.io/post/360396107/